『栗の仕込み』が今年もはじまりました

栗の話 その一

〔ご献上栗三千粒〕

 9月上旬に早生(わせ)種から実りはじめた小布施の栗は、全大量の7、8割を占める中生(なかて)種の「筑波」や「銀寄」などのあと晩生(おくて)種へとつづき、10月中にはほとんどが落ち尽くします。
 収穫の秋。広大な栗園を持つ大農も、裏庭に一本だけの家庭も、イガがはじけてポトンと音をたてて落ちるつややかな栗を掌中にする喜びにかわりがありません。

 

 この小布施栗は、徳川幕府の厳重な管理下におかれ、収穫された栗の中から一粒選びをした三千粒(約百キロ)を単位として、将軍家や諸侯への贈りもの用に献上されていました。
 領民はこの献上がすむまでは、一粒たりとも口にすることはできず、そのあたりの消息を、柏原村から20キロ余りの小布施の地をしばしば訪れた反骨の俳人小林一茶は
「拾われぬ栗の見事よ大きさよ」と、拾うことができない事情を皮肉たっぷりに詠んでいます。
 たった二キロ四方にすぎない小布施の地が、天領とされた理由は一にかかって、紀州みかん・甲州ぶどうと並んで徳川三大果とうたわれた風味抜群のこの栗によるものでした。

〔栗の適地とされる要因として〕

 一、雨の少ない内陸性気候
 二、千曲川に傾いた西向きで水はけのよい扇状地
 三、日照時間の長さ
 四、強酸性の砂質土壌

 

などがあげられていますが、多くの先人の工夫改良とあわせて、気候風土を超える大いなる自然の摂理によって、美味が醸されていることに神秘さを感じます。

 

竹風堂が最もこだわる「新栗の仕込み」が今年も始まりました。

地元・小布施を中心に国内産地からとれたての栗が入荷してきます。

栗は産地や時期によって、色や風味などそれぞれ異なりますが、それらを配慮しながら、新鮮なうちに素早く「栗あん」や「蜜漬栗」に仕込むのが肝要なのです。
栗菓子の食味の〔もと〕は、ここで決まってしまいます。
竹風堂のおいしさの秘訣は、独自の設備と技術を駆使した仕込みにこそあります。

この仕込み作業のメドがついて、直営店での定食や折詰のお持ち帰り栗おこわが新栗に切り替わるのは、例年10月上旬あたりが目安です。旬の味わいはまた格別です!

※栗の入荷、仕込みの状況によっては時期が前後する場合もありますので
ご了承ください。

直営各店にてお待ちしております。

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栗